にろにろ

耳も口もないので話はできない、目はほとんど見えない。でも感じるのはとても敏感なんだ。
…などと、ムーミン谷のスナフキンさんがニョロニョロについて解説をなさっていたのでした。

彼らは自足歩行はするけれどキノコの仲間のようなものかと思っていたのですが、植物でも動物でもなかったのです。
ムーミン君たちにとっては、ニョロニョロさんはオバケ扱い。まあ、落雷を受けてエネルギーにしているとかいかにも北欧神話な設定ではありますけどな。そうだとしてもムーミンとニョロニョロにたいした差異はないと思っていたのですが、何かが大きく違うらしいのです。
ムーミン君たちが動物園に動物を観に行く、動物と間違われて憤慨する…という話があるそうなのですが。
オバケとムーミン族のあいだ、オバケと植物と動物と人間のあいだの線引きを想わざるをえません。

そりゃあニョロニョロさんを見かけたら、生体センサーとして組み込んでニョロニョロ実装ロボット、雷エネルギーを変換利用するためのニョロニョロ蓄電池…といった工学利用を夢想してしまうのですが。倫理としてどうなのでしょう。
人間でも動物でもないから。それともニョロニョロには心がないのだから、なんて言われてしまうのでしょうか。