2013-06-01から1ヶ月間の記事一覧

身ぶりとじかん、そしてストーリーについて

像といえばわたくし、このところはもっぱら「ラオコオン像」をごろりと想い浮かべます(像といってもイマージュとしての形象ではなくて彫像ですけども)。トロイの木馬を疑わしいと思ってしまったラオコオンさんが「ええい邪魔をするでない、おまえたちオダ…

身ぶりのおんがく

三原弟平『カフカ・エッセイ カフカをめぐる七つの試み』平凡社、1990年より抜粋(234頁-236頁)カフカの「非音楽性」〈眼の人間〉〈耳の人間〉というふうな言い方はいつ始まったのだろう。ドイツの文化圏でそうした考え方が広まるにあたっては、ゲーテあた…

おさるのもんしんから

富山太佳夫『おサルの系譜学 歴史と人種』みすず書房、2009年 「路地と帝国のはざまに」より抜粋(←初出:角山榮・川北稔編『路地裏の大英帝国』平凡社ライブラリー、2001年) ヴィクトリア時代の文学に登場するのは大抵等身大の人間たちである。その彼らを…